「動画生成AI」と聞くと、パソコンでの難しい作業を思い浮かべるかもしれませんが、いまやスマホ1台でプロのような動画が作れる時代になりました。 テキストや画像から自動で動画を作ってくれるアプリが続々登場し、SNS投稿や仕事のプレゼン、趣味の動画制作まで、活用シーンはどんどん広がっています。
本記事では、そもそも動画生成AIとは何かをわかりやすく解説しつつ、iOS/Androidで使えるおすすめアプリを「無料で試せるか・商用利用できるか」の視点で厳選して紹介します。 さらに、スマホで動画生成するメリットや知っておきたい注意点、動画制作会社としての使い分けの考え方もあわせて解説します。
1. 動画生成AIとは
動画生成AIとは、人工知能(AI)を利用して自動的に動画を生成する技術のことで、
具体的には、下記のような作業が可能となります。
自動生成
AIが提供されたテキストや画像、その他の入力データをもとに、自動的に動画を生成することができます。
スタイルの模倣
既存の動画や画像から、異なるスタイルのコンテンツを作成します。例えば、人物の実写映像からキャラクターのアニメーション映像を作成することができます。
リアルタイム生成
リアルタイム生成AIアバターなどを活用してリアルタイムで動画を生成することで、ライブストリーミングやプレゼンテーションなどでリアルタイムの会話が可能となります。
自然言語処理
テキストから合成音声(AIナレーション)や外国語翻訳を生成したり、動画の内容を読み取ってテキスト情報に変換することができます。
生成AIを利用することで、従来の動画制作で必要だった多くの時間と労力を大幅に削減できる可能性がありますが、まだまだ進化途中の領域でもあります。
動画生成AIは、今後の技術進化によって、より多くの分野で活用されることが期待されています。
2. 失敗しないアプリの選び方
結論として、次の4つの軸で絞り込むと迷いません。特に仕事で使う場合は「商用利用の可否」を最初に確認しましょう。
目的で選ぶ
SNSの短尺投稿か、商品紹介か、社内向けかで適したアプリは変わります。求めるクオリティを先に決めると、候補を絞りやすくなります。
対応OSで選ぶ
高品質なアプリにはiOS先行のものも残っています。手持ちの端末(iPhone / Android)で使えるか、必ずアプリストアで確認しましょう。
無料か商用利用かで選ぶ
「無料で作れる」ことと「商用利用してよい」ことは別物です。仕事の動画に使うなら、商用利用が許可された有料プランが前提になります。
出力フォーマットで選ぶ
縦型(9:16)や尺の指定に対応しているかも重要です。SNS投稿が目的なら、投稿先に合わせた書き出しができるアプリが便利です。
3. おすすめのスマホ用動画生成AIアプリ5選

Kling AI
Kling AIは、iOS / Androidの両方に対応し、無料プランでも毎月クレジットが付与される動画生成アプリです。日本語の画面で使え、テキストや画像から動画を生成できます。無料枠では透かし(ウォーターマーク)が入り商用利用はできませんが、操作感や生成品質を試すには十分です。商用利用は月額6.99ドル前後の有料プランから可能になります。「まず無料で触ってみたい」人の最初の1本に向いています。
- 無料プラン制限:あり(透かしあり・月66クレジット・商用利用不可)
- 有料プラン:約6.99ドル/月〜(商用利用可) ※日本円の金額はレートによって変動します
- 主な機能:
テキストから動画を生成・画像から動画を生成
音声の同時生成・テンプレートからの生成 - URL:https://kling.ai/ja
Runway

Runwayは、画像生成AIのStable Diffusionを共同開発したRunwayが開発する高性能な生成AIアプリです。テキストや画像から動画を生成したり、用意されたテンプレートから動画を生成することができます。クオリティの高い動画生成が魅力で、有料プランでは透かしなしで書き出せます。無料でクレジットが付与されるのは一度きりのため、無料分を使い切った後は有料課金が必要です。iOS版が中心ですが、Android版も登場しています。提供機能に差がある場合があるため、利用前にアプリストアで対応状況を確認してください。
- 無料プラン制限:無料で使えるクレジット付与は1度きり。以降は課金が必要
- 有料プラン(年払い基準):
Standard:12ドル/月
Pro:28ドル/月
Max(旧Unlimited):76ドル/月 ※日本円の金額はレートによって変動します - 主な機能:テキストから動画を生成・画像から動画を生成・テンプレートから動画を生成
- URL:https://app.runwayml.com/
Google Veo(Geminiアプリ)

Google Veoは、GoogleのGeminiアプリから使える動画生成機能です(現在は後継モデル「Gemini Omni」として提供)。iOS / Androidの両方に対応し、画面もプロンプトも日本語で使えるのが利点で、動画と音声を同時に生成できる点が強みです。ただしアプリでの動画生成は有料のGoogle AIプランが必要です。Google AI Proプランには初回1か月の無料体験が用意されているので、まず品質を試してみたい場合はそこから始めるとよいでしょう。
- 無料プラン制限:動画生成は有料(Google AI Proに初回1か月の無料体験あり)
- 有料プラン:Google AIプラン(Plus / Pro / Ultra)に準拠 ※内容・金額は変更されることがあります
- 主な機能:テキストから動画を生成・画像から動画を生成・音声の同時生成・動画素材の編集
- URL:https://gemini.google/jp/overview/video-generation/?hl=ja
Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、クリエイターツールを多数提供するAdobe社が開発した生成AIアプリです。テキストや画像から動画を生成する一般的な機能に加えて、背景が透明な合成用の動画の生成や音楽・効果音の生成なども可能です。もし既にAdobe社の製品を使用していて、Creative Cloud Proに契約していれば、有料課金のProプランと同等のサービスが利用できます。商用利用を前提に設計されているので、ビジネス目的での使用を検討している場合に向いています。
- 無料プラン制限:あり(生成できる機能や点数に制限あり)
- 有料プラン(目安):
Standard:1,580円/月前後
Pro:3,180円/月前後
上位プランあり ※プラン名・金額は改定されることがあるため公式で要確認 - 主な機能:
テキストや画像から動画を生成
生成AIを活用した画像編集(背景の置き換えや塗りつぶしなど)
動画の前後を生成してクリップの尺を拡張・音楽や効果音の生成 - URL:https://www.adobe.com/jp/products/firefly/app.html
DreamFace

DreamFaceは、テンプレートやエフェクトが豊富な生成AIアプリです。基本的な機能は他のアプリと同じですが、静止画や動画のテンプレートがとにかく豊富なので、プロンプトを作り込まなくても、気に入ったテンプレートを使うことで、簡単に動画や画像を生成することができます。毎日クレジットが無料で付与されるので、気軽に使ってみてください。
- 無料プラン制限:あり(無料お試し期間もあり)
- 有料プラン(目安):
プロ:4.99ドル/週 or 29.99ドル/年
プレミアム:19.99ドル/週 or 119.99ドル/年 ※最新の金額はアプリストアで要確認 - 主な機能:テキストから動画を生成・画像から動画を生成・テンプレートから生成
AIアバターの生成・画像や動画の高解像度化 - URL:https://www.dreamfaceapp.com/
4. スマホアプリで動画生成をするメリット
スマホアプリでの動画生成は、専門知識がなくてもクオリティの高い映像を手軽に作れる点が大きな魅力です。パソコンの編集ソフトは難しそう、と感じている方でも、アプリなら直感的な操作で動画を仕上げられます。
手軽さ
スマホアプリの最大のメリットは、思い立った瞬間に動画生成が始められる手軽さです。
1台のスマホで完結できるため、移動中やスキマ時間を使って効率的に作業が進められます。特にSNS用のショート動画はスピードが大切なので、この「すぐ作れる」点が情報発信の成果にも直結します。
コスト
動画編集ソフトや高性能なパソコンをそろえるのは負担が大きいと感じている方にとって、スマホアプリはコスト面でのメリットが大きい選択肢です。無料プランや低額サブスクリプションで使えるアプリが増えており、初期費用を抑えながら手軽に動画制作に挑戦できます。
操作性
スマホアプリは、初心者でも迷わず扱えるように設計されているものが多く、操作性の高さがメリットです。指でタップしたりスワイプしたりするだけで、マニュアルを読み込まずに感覚的に作業を進められます。複雑な操作を覚える必要がないので、パソコンに苦手意識がある方でも、まず一歩を踏み出しやすくなります。
SNS連携
スマホアプリで動画生成を行うと、完成した動画をそのまま各種SNSへ投稿しやすい点も見逃せないメリットです。InstagramやTikTok、YouTubeショートなど、プラットフォームごとの縦横比や秒数に合わせた書き出しプリセットが用意されているアプリも多く、フォーマット調整の手間を大幅に減らせます。
撮影→編集→投稿までの流れをスマホ1台で完結できることで、更新頻度を無理なく上げやすくなります。
5. スマホアプリで動画生成をする注意点

スマホアプリでの動画生成は便利な一方で、編集途中でアプリが落ちてしまったり、書き出しができなかったりと、意外な落とし穴もあります。後悔しないためには、あらかじめ注意点を理解することが重要です。
料金プラン
スマホアプリだけでなくパソコン版にも共通して言えることですが、まずはできるだけ短い期間でのサブスクリプションに登録することをおすすめします。生成AIの分野はまだ発展途上で、どんどん新しいアプリが登場します。少し前まで優秀だったアプリでも、より安くて使いやすいアプリが登場することは珍しくありません。年間契約など長期間の方が利用料金は安くなることが多いですが、まずは短い期間でいろいろ試してから決めましょう。
容量
動画生成を繰り返していると、スマホのストレージ容量がすぐにいっぱいになってしまう点にも注意が必要です。高解像度の動画ファイルや多くの素材データを保存していると、アプリの動作が重くなり、フリーズや書き出しエラーの原因にもなります。
安定性
スマホアプリは手軽な一方で、スペックが低めのスマホだと処理が追いつかず、何度もやり直すことになり、結果的に作業時間や料金が増えてしまうこともあります。安定して編集するためには、スマホ本体のスペックや空き容量を見直し、必要に応じて機種変更も検討することが大切です。
著作権・商用利用
アプリ内で提供されているBGMや効果音、テンプレート素材には、必ず利用ルールや著作権があります。あわせて、生成した動画を仕事で使ってよいか(商用利用の可否)は契約プランによって決まります。商用利用不可の素材やプランでビジネス用途の動画を作ると、後から権利トラブルに発展する可能性もゼロではありません。特にビジネス利用の場合は、規約やライセンス表記、商用利用権の有無を事前に確認し、人物の肖像やブランドなど第三者の権利に触れていないかも意識しましょう。
カスタマイズ性
スマホアプリは感覚的な操作で簡単に利用できますが、それが故に複雑な指示ができない場合もあります。細かく作り込む動画を生成したい場合はパソコン版を使用したほうがイメージ通りの仕上がりになりやすいでしょう。アプリによって仕様は異なるので、思ったとおりに仕上がらないと感じた場合は、パソコン版を試してみることをおすすめします。
6. 動画生成AIの活躍が期待される用途や場面
動画生成AIは、マーケティングや教育、エンターテインメントなど、様々な分野での応用が進んでおり、
従来の制作プロセスを大幅に効率化する可能性を秘めています。
ビジネス・マーケティング分野
プロモーションビデオ
新製品やサービスの紹介動画を制作する補助ツールとして
ソーシャルメディア広告
YouTube、X、Instagram、Facebook、TikTokといった、SNSに投稿するUGCコンテンツの制作に
IR・記者発表・展示会
会社のサービスや業績発表などの動画制作に
不動産紹介動画
SNSに投稿する物件紹介動画を作成するツールとして
イベント・ウェディング
イベントのダイジェストムービーやウェディングムービーの制作に
教育・研修分野
オンライン教材
マニュアル動画やeラーニング教材の動画制作に
学習教材ビデオ
教科書やテキストの内容を補完する教育用の動画制作に
エンターテイメント・メディア分野
ミュージックビデオ
アーティスト楽曲のミュージックビデオ制作に
アートフィルム
クリエイティブな映像制作のツールとして
ソーシャルメディア・インフルエンサー分野
動画コンテンツ制作
YouTubeやInstagram、TikTokなどのエンタメコンテンツの制作に
ブログ記事
ブログ記事を動画化するためのツールとして
動画生成AIはまだまだ発展途中であり、今後の展開次第で他にもさまざまな場面で応用されるでしょう。
7. 動画制作会社の視点:アプリで足りる動画・プロに任せたい動画
最後に、動画制作の現場目線で使い分けを整理します。AIアプリは「速く・安く・たくさん」作るのが得意です。一方で、狙った印象を確実に届けたい動画は、構成設計から撮影、権利処理まで含めてプロに任せたほうが、結果的に手戻りが少なく済みます。
AIアプリで足りやすい動画
SNS用の短尺やテスト的なクリエイティブ、社内共有用のたたき台、企画イメージの可視化、量を回したいコンテンツなどは、アプリで十分に対応できます。
プロに任せたほうがよい動画
会社紹介・採用・商品紹介などブランドの印象を左右する動画、構成・尺・メッセージを正確に届けたい動画、出演者の肖像や権利処理・商用利用の安全性をきちんと担保したい動画は、専門の制作会社に相談するのがおすすめです。両者は競合ではなく、企画段階はAIでスピードアップし、本番はプロに任せるという使い分けが現実的です。
8. まとめ
本記事では、動画生成AIの仕組みや特徴、アプリの選び方、定番のスマホ用動画生成AIアプリ、スマホで動画生成を行うメリットと注意点を整理しました。スマホアプリを使うことでスキマ時間を活用したコンテンツ制作がしやすくなり、テンプレートを活用すれば専門知識がなくても一定クオリティの動画を短時間で仕上げられます。
一方で、商用利用の可否や端末の容量・処理性能、料金形態など、事前に把握しておきたいポイントもあります。この記事を参考に、自分の目的や予算に合ったアプリを探してみてください。
参考記事
【無料版あり】日本語に対応したオススメ動画生成AIツールをご紹介!
9. スマホ用の動画生成AIアプリに関するよくある質問
OpenAIのSoraはまだ使えますか?
いいえ。OpenAIは動画生成AI「Sora」のアプリ・Web版の提供を2026年4月26日に終了しました。これから始めるなら、本記事で紹介したKling AIやGoogle Veo(Geminiアプリ)など、現在も提供中のアプリから選ぶとよいでしょう。
iPhoneとAndroidで使えるアプリに違いはありますか?
はい、あります。iOS版のみ提供されている高性能アプリも存在します。使いたいアプリが自分のスマホに対応しているか、アプリストア(App Store / Google Play)で最新情報を確認しましょう。
仕事(商用)で使うときの注意点は何ですか?
まず、利用するプランが商用利用を許可しているかを必ず確認しましょう。無料プランは商用利用不可のことが多く、動画に透かしが入る場合もあります。あわせて、使用する素材の権利や、出演者の肖像、ブランドなど第三者の権利に触れていないかも確認すると安心です。
無料版と有料版の決定的な違いは何ですか?
主に「透かしロゴの有無」「生成できる動画の長さや本数」「商用利用権の有無」の3点です。無料版では動画の隅にツールのロゴが入ることが多く、ビジネス用途には不向きです。まずは無料版で操作感や生成の精度を試し、実務で使う段階で月額プランに移行するのが効率的な選び方です。
スマホが熱くなったり、電池が急激に減ったりするのは故障ですか?
故障ではなく、動画生成AIが非常に高い処理能力を必要とするためです。特に複雑なプロンプトで長い動画を作る際は、スマホのCPU/GPUをフル稼働させるため、発熱やバッテリー消費が激しくなります。充電しながらの作業はさらに熱を持ちやすいため、生成中は他のアプリを閉じたり、涼しい環境で作業したりすることをおすすめします。
SNS(TikTokやInstagram)で流行っているような動画は作れますか?
可能です。その場合は流行のエフェクトやアニメーションのテンプレートが豊富なアプリを使用しましょう。また、最近のAIは「縦型動画(9:16)」の生成にも対応しているため、アプリ内で指示(プロンプト)を出すだけで、そのままSNSに投稿できるクオリティのショート動画が作れます。

